最後にして最初の人類、2回目行ってきました。
あーめちゃくちゃ面白かった…面白いと思えてよかった…。
・人間讃歌なんだなと思った。人間讃歌の話が好きなのでキュンとした。
・ヤマザキマリさんの「抒情詩」と言っている意味がわかった。この映画自体、物語というか、詩に近い。
ネタバレありと書いたけど、詩にネタバレはない。
言葉の響きを個々が解釈する。
映画ではナレーションという形で読んでくれるから、私たちは音楽と映像とともにそれを受け取ることができる。
・ナレーションのティルダ・スウィントン、美術館で寝てた人か!と気づいた。(眠る姿を作品として展示されていた)あの人は、確かにこの映画にぴったりだ。
この映画のナレーションは、20億年後の人類だ。
あの人の静けさや冷たさ、「20億年後からきました」と言われたら信じてしまいそうだ。
・ヤマザキマリさんが「ディズニーのアトラクションぽい」と言ってたのだけど、その意味もわかった。
20億年後の人類は
「私たちを助けて欲しい」
「そのために、過去を最善のものにしなくてはならない」
「私たちは、過去の人類に憑依できる」
「過去を変えられないと思うだろうか?未来から影響することはできるのである」
というのだ。
この映画を観て、私たちが影響されれば、それは未来から影響を受けたということになる。
しかも、この原作は1930年に書かれている。
なんでそんな時代に20億年後が描けるのか。
未来から、なんらかの影響を受けたのでは…。
と、ゾッとしてしまった。
・冗談じゃなく、ディズニーのアトラクションにもこういうのあったらいいのに、と思う。
こういう途方もない作品の世界が世に広く知られて欲しいと思う。
・音楽も今回はきちんと聴くことが出来た。
星への畏怖を感じたし、最後の音楽は、星からの声のように聴こえた。
・トークショーにも登場し、コメントも書かれてる冲方丁さんの作品に通じるところがあると思った。
私は冲方丁さんの「マルドゥック・ヴェロシティ」が好きなんだけど、それの読後感と似た「いずれ消えゆくものの美しさ」を感じた。
冲方丁さんは、死に様を書くのがとても美しいのだけど、映画のパンフレットに載っている原作小説(冲方丁さんが書いたのではない)のラスト、「どのみち私たちは、人間というこの束の間の音楽を美しく締め括ることになるでしょうから。」もめちゃくちゃ美しい。
映画のラストでは「私たちは星で生まれ、星に滅ぼされるのです」という。これもえもいわれぬ哀愁があって美しい。
この、ラストの字幕が終わってのポポポーみたいな音楽が、星からの声に聴こえて愛しいなと思ってしまう。
・映画としては、静物をずっと映しているのに、飽きさせないのはすごい。1回目は寝たし、2回目も何度かウトウトきたけど。
モノクロの意味もわかるような気がした。
フライヤーか何かに「スポメニックを探索する」とあったけど、その体験が出来た。
ゲームのICOのようなイメージ。
私は彫像の良さを知らなかったけど、これを見ると、像、オブジェはメッセージを発し続けているんだなと知った。
・帰りに数人固まってエレベーター乗ったのもなんとなく楽しかったな。
当たり前だが全員黙っており、「未来からのメッセージを受け取った人たち…」と思った。
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