「最後で最初の人類」の上映&トークショーに行ってきました。
・ヨハン・ヨハンソンと、冲方丁さんということで、私の好きなもの2コも入ってんじゃーん!ということで速攻予約した。
のだが、その後映画を調べたら、こんな感じで
あ…これ、私、楽しめるか?
ヨハン・ヨハンソンの音楽を聴きに行くと思えばいっかぁ…となりつつ、イベントへ。
・寝たね。
がんばったんですけどね。横の親父は始まる前にうつらうつらしてた。何しに来たの。
でも、私も大概寝てしまった。
楽しみにしてたヨハンソンの音楽もなんか怖い系だ。怖い雰囲気の曲ももちろん好きなのだが、映画館の暗い空間でならフロム・ザ・シティみたいなのに浸りたいよ。(ポスターちゃんと見ろ)

ジャパニーズホラーか?
・でも、トークショーがめちゃくちゃ面白かった。
観る前に、「こういうの、教養や審美眼がある人が観たら、私の受け取るものより沢山受け取れるんだろうなぁ」と思っていたので、まさにその話を聴けた感じ。
覚えていることを書いていくぞ!
・ヤマザキマリさん、冲方丁さん登場。
ヤマザキマリさんは、この映画の原作の作家であるオラフ・ステープルドンのファンだそう。
ヤマザキさんの夫さんがハマり、その後息子さんが読みハマり、2人から勧められていたそう。
・息子さんから借りたという「最後にして最初の人類」を持ってきてくださっていた。
「今、これ古本屋で2万します」
冲方丁さん「ハヤカワ書房が電子で出してくれると信じてる」
・ヤマザキマリさん「本当に貴重な本なのになんで売ってないのか…。
1930年に今の私たちの生活、パンデミック、業であるとかが描かれている。さらに筆致も美しい。」
冲方丁さん「SF作家に必須な先見の明、想像力がすごい」
ヤマザキマリさんは「シリウス」という本も好きで、それは犬に人間の脳が入る話らしい。
「これももう、本当にすごくて」(多分ネタバレを気にして、内容は言わずにすごさだけを伝えようとしてくれていた)
・息子さんから借りたという「最後にして最初の人類」には付箋がついており、それはどこの箇所かとスタッフさんから質問。
ヤマザキマリさんはコラムを書くにあたり、どこを抜粋するか付箋していたそう。
書いているうちに止まらなくなり、ついには絵も描いてしまった。(映画のパンフレットに載っている)
ちなみに、映画のパンフレット、この後めちゃくちゃ売れていた。ヤマザキさんの絵もさることながら、冲方丁さん「本が絶版だが、パンフレットの抜粋でよくわかって助かった」と言っており、トークショーがセールスになっていた。私も買った。
映画は難解なので、先にパンフレットを読み込んで挑むのもアリだと思う。
冲方丁さん「なかなか想像しにくいので、その絵があって、とても助かった」
ヤマザキマリさん「でも、(映画では)民族の話をしている時には有機的な植物が出てきたり、ちょっと親切な部分もあるんですよ。」
ヤマザキマリさん「SFは数学的で、音楽も数学と感じる。この映画はこの形でしかありえなかった」(うろ覚え)
お二人にとって、SFとは?
冲方丁さん
・「第四人称」という言葉を知ってから意識した。
(わたし、あなた、彼ら、人類)
「人類」に向けて書いているのがSF。
ヤマザキマリさん
・SFは、あるあるの羅列のような物語構成ではなく、むしろ親切ではない。
・音楽はとても数学的だと感じる。
・海外で暮らしており、息子さんも幼い頃から海外を渡り、転校が多かった。
数学、音楽は言語がわからずとも楽しめる。
息子さんはとても数学が強い。
冲方丁さんも海外渡航経験が多いそう。
・言語に寄りかからない人の強みがある。
「この映画は叙事詩、抒情詩と言っていたが、交響詩かもしれない。」
・冲「イギリスなんかではボードゲームの選手がSF小説を書いて生活費を稼ぐとか」
ヤ「SF作家は物悲しいさがつきまといますね。
・冲方丁さん「言語は音に置き換えられる。ヨハンソンは、言語を音として捉えたのではないか」
言語は、遠くの誰かに何かを伝えようとか、そういったことで発展してきた。(うろ覚え)
・ヤ「この映画は少しドラッグ要素がある。ディズニーのファンタジアみたいな…」
沖「その例えする人、まだいたの?笑」
沖「ダンボとかすごい。華々しく飛ぶ背景に雷が落ちてる」
ヤ「あれは抽象化。倫理を外さないと見えないところに抽象化はある」
ヤ「というか、禅ですね」
冲「たしかに。ピコーン、ピコーンってなってるのは、禅でいう喝みたいなものかも」
影響を受けた作家は?
冲方丁さん
・スティーブン・キング。自分の文章が翻訳した文章のようと言われ、マイルドにするために小説を書き写した。(長かった)
ヤマザキマリさん
・安部公房、大江健三郎もSFだと思った。
沖「この映画がDVDになるのを待っている。見てると陶酔してくる。テンションが上がる、エンタメとしての陶酔ではない。」
ヤ「内向的な陶酔」
この映画を観た後にオススメの映画は?
沖「この映画を観た後に!?」
ヤ「比肩する作品なんてないですよね…」
と言いつつも、
冲方丁さん
・もう少しエンタメとして楽しみつつ、この感じを味わいたいなら手塚治虫先生の「火の鳥」。(ヤマザキマリさんも納得)
・音楽的には映画「メッセージ」。カメラワークもすばらしい。
・漫画「不滅のあなたに」も文明を越えていく話
・時間を乗り越えるという意味では「A.I.」
「でも、20億光年が入っている話ってな~~。ジュラシックパークとか観たらいいんじゃない?」
ヤマザキマリさん
・最近好きなのは「ルイジ・ピランデルロ」
・映像作家の「ジョーダン・ベルソン」
寝てしまったし、トリップもできなかったので、もう一回観に行こうと思います。
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